みちのく山菜に春を惜しむ
2011 年 5 月 15 日
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山菜の季節だ。ことに東北産には心が震える。今日は、野菜や果樹で地域おこしを目ざす友人から珍しい山菜が届いた。5種類すべて十和田湖周辺で採れたもので、コシアブラ(じっくりと香ばしく揚げた天ぷらは最高)以外は、どれも初めての味である。
ボーナは、にギザギザのある三菱形で、秋田ではボンナ、山形や秋田南部ではホンナといい、正式名はヨブスナソウという。異名や方言名が入り交じるのがいかにも東北的で楽しい。
カコナは、カンゾウ(甘草)の若芽のことらしく、同封のメモには「癖のない味で、おひたしや酢味噌に」とあった。
イワガラミは、岩絡み」の名前どおり、岩に絡まりなから生育する落葉つる植物で、湯通しするときゅうりの味がするという。
雪笹は、ユリ科の多年草で、北海道ではアズキナの名称で親しまれているようだ。茹でると小豆の香り、味がすることと、赤い実が小豆に似ているからである。
ということで、調べるのに手間取り、結局、試すことができたのは、天ぷらと、茹でてオリーブオイルと塩で食べるサラダの2品だけ。それぞれに東北の春の味を楽しめたけれど、天ぷらでは、コシアブラが評判以上のおいしさだったほか、雪笹がとても気に入った。ウルイに似たぬめり感と、ほのかな甘味が、この2カ月間で疲れ果てた心身を、ほっとくつろがせてくれたのだ。
山菜の荷いちめんに春の色 千恵子
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