田沢湖畔の春の恵み「さしぼ」
2011 年 5 月 2 日
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かたくりの花があまりに美しく、繊細かつ優美な味だったので、つい書きそこねてしまいましたが、五戸町からの宅配便には、秋田県仙北市西木町産のこごみ、天然みつば、さしぼも入ってました。かたくりはおひたしにし、それ以外は天ぷらにしたのですが、まあ、なんとおいしいこと。
こごみは太古の森に自生したような野趣に富み、みつばは山の「水辺に自生していたもの」という断り書きどおりの清らかさ。そして、下の写真の「さしぼ」には、さらに魅せられてしまいました。
人指し指の先ほどの大きさで、ピンク色を帯びたものもあり、かわいい!という言葉がぴったり。ところが、同封の手紙には「……さしばとは、さそどりの芽の異名で、ぬめりと酸味があり……」と書いてあって、ちんぷんかんぷん。
調べてみると、「さそどり」とはいたどりの芽と判明し、秋田でも由利本庄市周辺ではとくに好んで食べられるとか。天ぷらにすると、ほっこりしているのにぬるり感があって、ほのかな酸味がなんともおつ。
いたどりは漢字では“虎杖と書き、高知市の日曜市では茎の部分の塩漬けが売られていて、塩抜きしてから煮て、田舎寿司の具によく使われます。でも、そのいたどりの芽が山菜として珍重されているのは、初めての見聞でした。
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